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【文庫】池波正太郎「男の作法」

久しぶりにしっかりと本のレビューを書く気がします。

よろしくお願いします。

 

今回紹介する本を読もうと思ったきっかけは、

ライフネット生命保険代表取締役社長として知られる

岩瀬大輔の「入社1年目の教科書」にて紹介されていたことです。

 

巷には多くの礼儀や作法に関する本があると思います。

そういったものを手にとって読んだりすると、どこか恩着せがましい

というか。

マナーを説く本ならまだしも、流儀や男とはなんたるものを語る本では、

著者の悦に入る部分が感じられて、気持ち悪くなることが多々あります。

 

ただ、池波さんはそういった「こうするべきだ」ということが

無粋だとわかっているんです。

冒頭で年寄りの戯論として欲しいと前置いて、

TPOに合わせてこうすることが無難ですよと

さりげなく教えてくれる本書は紛れもなく良書だと思います。

 

男の作法 (新潮文庫)

男の作法 (新潮文庫)

 

 

 

 

もともとは、「鬼平犯科帳」シリーズの作家として知られた方なのですが

もはや自分にとっては「男の作法」の人。というイメージです。

 

本で紹介されている作法は、

鮨屋さんや天ぷら屋さんに行った際の礼儀に始まり

スーツや和服の着こなし方、仕事のリズムの作り方など

人生のあらゆる場面の知恵や勘どころを教えてくれます。

 

出版されたのが昭和56年とかなり古いですが

今見ても参考にできる内容がたくさんあります。

 

例えばファッションに関して言えば、以下のように

おっしゃっています。

 

自分のおしゃれをする、身だしなみをととのえるということは、鏡を見て、本当に他人の目でもって自分の顔だの躰だのを観察して、ああ、自分はこういう顔なんだ、こういう躰なんだ、これだったら何がいいんだということを客観的に判断できるようになることが、やはりおしゃれの真髄なんだ。(中略)だから、そういうことは何も訓練なしでただやってるだけじゃだめでね、やっぱり映画を観るとか、小説を読むとか、いろんなものを若いうちに摂取していれば、自然にそういう感覚というのは芽生えてくる訳ですよ。(池波正太郎「男の作法」新潮文庫 1984年 58ページ)

 

自分自身、過去何度か読んでいて

今回改めて読み直していてこの部分にはすごく頷きました。

結局、あの人の服装なんかおかしいなぁというのは

その人が自分自身をしっかりと認識していないから

ということが多いと思います。

逆に言えば、しっかり自己を認識して

「こういう格好はまあ似合ってるんじゃないか」と

考え始めるところからおしゃれは始まっていると思います。

 

また、この本はサカナクションのボーカル、

山口一郎さんの書棚にもあったりしていて

自分としてはサカナクション好きなので

非常に嬉しかった思い出があります。

 

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2015年11月01日放送 情熱大陸『山口一郎(サカナクション)』毎日放送MBS

(c) 1995-2017, Mainichi Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

 

page.auctions.yahoo.co.jp

 

 

この本は、編集者と友人を交えて

様々なテーマについて話しているものを

書き起こして、本に取り纏めた形になっています。

 

なのでショートショートのような、

気軽に読める構成になっています。

文庫版のものを通勤通学の際に

カバンに潜ませておくのもオススメです。

 

また、この本を読み込んでいくと、

さも自分が分かった風な気分になれてしまいます。

 

だからと言って、周囲や知人とは違うぞ、

などと思ってしまうのはとても馬鹿げていると思います。

この本をよく読んでいないと思います。

 

いろいろな物事には、決まりや順序というものがあって

そういったことが少しでも分かってくるようになると、粋かな。

とそのくらいの塩梅で、人生を楽しむ心意気をもつのが

丁度いいのだと私は思います。